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週刊 ピンク・ハッカー

セキュリティを啓蒙するために誕生した、ファビラス・セキュリティ・ボーイズ

ママ解#1 ネットの風評対策会社は危険!? の巻

 

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 セキュリティの面白さと重要性をわかりやすく伝えたい……そんな想いを持った二人が邂逅(かいこう)。ほとばしる両者のセキュリティ情熱が激突した結果、過去にないセキュリティ・コンビが誕生。その名は「ピンク・ハッカー」。

さて、今回からセキュリティに関する事件を解説するシリーズが始まりました。題して「フレッシュのママンでもわかるようにネットセキュリティ事件を解説」、略して「ママ解」。記念すべき第1回は「ネットの風評被害対策会社の行為は非弁行為なの?」というもの。はじまりはじまり。

愛するアッキー(安倍昭恵)を救いたい

あああ、私の大好きな昭恵たん(安倍昭恵=安倍首相夫人)が、2ちゃんねるで叩かれているよ〜
そういえば、アッキー(安倍昭恵の愛称)は電通出身なんだよな……
ねえ、ピンク。アッキーの悪口をネットから全部消して。

そんな、ドラえもんじゃないんだから、なんでもホイホイ出来ないよ。

ピンクって本当に使えないな! 自分で何とかするよ。
Google先生〜 助けて〜 あ、Google先生が教えてくれたよ。2ちゃんねるやネットに書き込まれたイヤな情報を消してくれるサービスがあるみたい。ここに頼めば、アッキーの悪口をネットから消してくれる!

凄い喜んでいるところ申し訳ないんだけど、それは止めておいたが方が良いよ。

え、なんで!?

インターネット上の情報を削除するサービスを行なっている業者に対して、弁護士法違反(非弁行為)にあたるとして、顧客であった男性が料金49万円の返金を求めた訴訟があり、2月20日に東京地方裁判所で判決がでたんだ。結果、裁判所は非弁行為と判断し、業者に利用料金の全額返還を命じたんだ。

非弁行為って何?

ええ!? って驚いた振りをしているけど、「非弁行為」って何? 新しいお弁当の仲間みたいだけど。

非弁行為(ひべんこうい)ってのは「弁護士の資格を持っていない人が、報酬をもらって弁護士活動をする行為」で違法なんだよ。

弁護士って、裁判で悪い人の弁護するだけじゃないの?

確かにそれもあるけど、弁護士の仕事は実はいろいろあって、離婚問題や交通事故の示談、借金整理や相続でのゴタゴタ解決など多岐にわたる。これらのトラブル解決で、弁護士資格がない第三者が報酬をもらって解決を行なうと非弁行為にあたる場合がある。そして、弁護士じゃない人間がネット上の書き込みを消すことが非弁行為に認められたのが、今回の判決なんだ。

当事者以外で、サイトへの削除依頼は弁護士にしかできなかったんだ。

うん、そうなんだ。今まで業者による削除依頼が「非弁行為か否か」てのが、曖昧だったんだけど、今回の判決でハッキリと結論がでたんだ。

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裁判の結果を報じる日経新聞

怪しい業者にご用心

なるほどね。さっき、Google先生に尋ねたときは、いろいろな削除代行業者が出てきたんだけど、弁護士と提携していないところが多いね。弁護士先生が自身でやっているサービスもあるけど。

経営している企業の住所や代表者の名前が記述されていなかったり、利用料金もハッキリと書かれていなかったりと、見るからに怪しいサイトも珍しくない。弁護士や司法書士と業務提携しています……と書いているけど、どの弁護士と提携しているか書いてないことも多い。業者の住所をGoogle検索で調べると、レンタルオフィスだったりすることも珍しくない。

しかも1件の削除に数万円の金額がかかるんだ。

そして完全に削除してくれる保障はない。削除依頼業者のテクニックはある程度決まっている。
・まとめサイト、個人サイトは直接削除依頼
・消せないサイトの場合は、ダミーのサイトやフェイクページを複数作り検索結果の順位を落とす
・2ちゃんねるは直接消すことができないので、偽の書き込みを複数行い、スレッドを終了させる
などがメイン。「2ちゃんねるの投稿を直接消します」と宣伝しているサイトもあるけど、これは相当難易度が高い。
また、弁護士がやってくれる場合は、裁判所経由で削除を依頼をしてくれる……が、2ch.netは運営会社がフィリピンにあるから、フィリピンの裁判所経由になるから時間とお金がかなり必要だね。
余談だけど、2ちゃんねる削除対応! と言っているところも、2ch.netと2ch.scについて触れていないところは信じられないね。

削除を依頼する先と削除依頼元が同じだったら、なんだか楽しいことになりそう。

まさにマッチポンプ! さすがそんなケースはないだろうけど、「風評被害対策」「2ちゃんねるの書き込み対処」「ネット誹謗中傷に対応」といったサービスを提供しているサイトを見ていると、そんな気持ちになるのはわかるよ。今回の裁判も、依頼者は13記事の削除を依頼するも、10記事しか業者は削除できず、それが裁判の原因になったみたいだからね。

広がる削除ビジネス

こういった「削除ビジネス」ってのは拡大しているんだね。

サービスや料金の不透明さに加えて、法的な根拠がないのに削除をお願いするのは「表現の自由」が侵害されているのではないかって指摘もある。

なるほど、弁護士以外に依頼するのは止めるよ。だけど愛するアッキーが罵られる姿は辛い。好きだった女優がヌード写真を出したら、Photoshopを使って裸体の画像を着衣画像にコラージュしたくなる気持ちだよ。

なんだかよくわからないけど、フレッシュが辛い気持ちは伝わるよ。

とりあえず、アッキーの画像をPCの壁紙にして落ち着くよ。ありがと!

ど、どういたしまして。


(了)